世界の都市総合力ランキング 2021

一般財団法人森記念財団都市戦略研究所が発表した「世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index, GPCI)」2021年版の結果がまとまりました。2020年初頭から続くコロナ禍が世界の主要都市に与えた影響が明らかになっています。

2021年の総合ランキング

2021年のGPCIでは、ロンドンが6年連続で1位を維持し、続いてニューヨーク、東京、パリ、シンガポールがランクインしました。特に、ロンドンとニューヨークはスコアの伸びが鈍化し、東京とパリが追い上げを見せています。

コロナ禍は都市の「交通・アクセス」や「経済」に大きな影響を与えました。特に、国内・国際線旅客数のスコアが下落し、交通・アクセスのランキングが1位から3位に落ちました。経済指標でも、従業者数の減少が影響し、全体のスコアが低下しました。

ロンドンは経済や研究・開発の分野でスコアを伸ばしたものの、交通・アクセスの面では苦戦しています。特に、ロンドンの完全失業率や働き方の柔軟性が低下しており、これらの指標が全体のスコアに影響を与えています。

東京は、働き方の柔軟性が大きく改善され、居住環境の順位も上昇しました。特に、経済においては1人あたりGDPが3位に上がり、文化・交流の観光地の充実度が2位にランクインしました。

他の都市と比較すると、コロナ禍の影響が顕著に表れています。特に、ロンドン、シンガポール、香港では国際線の減少が大きく、ニューヨークは完全失業率の上昇が影響しています。

2020年のデータによると、全ての都市で国内・国際線旅客数が減少しました。特に国際線が多い都市では、この影響が顕著でした。一方、中国や日本では国内旅行が促進され、一定の需要がありました。

コロナ禍が収束に向かう中、各国の航空需要は徐々に回復しているものの、IATAの予測によれば、国際線の需要がコロナ前の水準に戻るには2024年までかかるとされています。

今後、各都市がどのように力を高めていくかが問われています。特に、ロンドンのEU離脱の影響や、他の都市の経済成長がどのように進むかが注目されます。

A1: GPCIは、都市の総合力を評価するランキングで、経済、交通、環境などの指標から算出されます。

A2: 東京は特に働き方の柔軟性が改善され、経済指標でも躍進しています。

A3: コロナ禍によって、交通・アクセスや経済指標のスコアが大幅に減少しました。